導入事例 002-03

ソランピュア株式会社 様

強み発見プログラムライト版 第3回目レポート:テーマ「自己理解、他者理解」

~ 自分が悦ぶ働き方を語る自己紹介をしよう ~

「強み発見プログラムライト版」全3回の開催レポートの最終回です。

第1回目の他己紹介のワークでインタビューをして相手を知ることから始まりました。第2回目では「人生すごろく金の糸」を用いて子供の頃の経験を語ることで自分の個性や原点を再発見することが出来ました。第3回目でさらに自己理解を深めていくことになります。

最終回は、上司も同席する共有会。参加者はこれまでの気づきを振り返りながら、「自分が悦ぶ働き方」を語る自己紹介に挑みました。対話の積み重ねが、言葉にする勇気と、業務へのつながりを静かに後押しする時間となりました。

開催場所の雰囲気・様子

部屋に入るとそれぞれ好きなところへ座り、居合わせた方と言葉を交わして談笑。全員が揃う頃にはすでに和やかな雰囲気でした。

回数を重ねて積み上げられた互いの安心・安全からくる空気感でしょうか。

研修の流れ

1.まずはチェックイン。順に「嬉しかったこと」を話していただきました。

子どもの成長の気づきや趣味を楽しんだことなどを話されました。中には「特に無いな・・」と首を傾けることもありますが、ふと浮かんだ話を始めるとだんだん言葉が弾みます。

全員が話し終わる頃にはみなさんの表情がとても柔らかくなっていました。

2.これまでに開催した2回のワークの振り返りをしてから「今日やること」をお伝えしました。

今回活用するKirari☆Carta®(きらりカルタ)は短い時間で人となりを知り、相互理解を促進するwiShオリジナルのツールです。すでに数名の方が体験済みでした。

そして「よい傾聴のポイント」と傾聴の姿勢、質問やフィードバックのコツをおさらいして本日のテーマである「伝える」を例を用いて説明し伝え方のコツをお伝えしました。大切なところなので繰り返しになりますが「安心・安全の場とするためのお約束」を確認してスタートです。

ワークの内容

①一人ずつカルタを一枚選び、書かれた問いに答えていきます。

すぐに答えられる問いもあれば、じっくり考えて記憶を辿ってようやく出てくるような問いかけもありました。

「このカルタの問いは、いいところを突いてくる」思わず口から出た言葉。何となく選んでいるはずなのになぜ自分に必要なカードが出てくるのか不思議だと言われることがよくあります。カルタの問いから、いくつかの経験を脳裏に浮かべて自身との対話の時間が始まります。グループに分かれて実施しますが経験から語るため、同じ問いであっても話の展開はそれぞれ。「日頃、交流を持たない人と子供時代やプライベートを話すことで、その人を知ることができて良かった」との感想もありました。自身の心の深くに向き合うと考え込みますが意外な一面が出てくることも多いと感じます。

こんな話もありました。参加メンバーから「声がきれいで聞き取りやすい」と伝えられ「自分ではそう思わないし話すのは苦手だ」と返答されました。なぜそう思うのかを問われ「声が大きいと言われることもあるので気を付けている」と答えられました。

そこへ皆が「声が通るって羨ましい」「司会とかするといいのでは」と感じたことを伝えたところ「そういえば行事の司会をしたことがある。声を活かせるならまたやってみようかな」と表情が明るく変化しました。苦手だと思っていることを他者から羨ましいと言われ、なぜそうなのかを深掘りすることでさらに自分自身と向き合う時間が生まれた機会となりました。

話を深める質問により、本人でさえ驚くような思わぬ話が出てくることもあります。

そこから今に通じる「だから、そうなんだ」と納得感にも繋がるのではないでしょうか。

③今日の話から見えてきた“その人らしさ”をお伝えします。

話したエピソードで気になったところ、ステキだな、自分には出来ないと思うことなどをフィードバックすることで

「他者から見た自分」を知ることが出来ます。

人によっては「少し照れくさい」と感じるようですが、「嬉しい」と隣り合わせのようです。

〈今回登場したカルタの一例〉
「時間を忘れてできること」
「タイムマシーンで行ってみたい時と場所」
「実は苦手、嫌いなこと」
「あなたにとってのターニングポイント」

②話を聴いたメンバーから“もっと知りたい”の質問をします。

〈質問例〉

・具体的にどんなことがあったの?

・その経験が教えてくれたことは?

エピソードを聞いて日頃の仕事上で感じていることを交えた質問が出てくることもあります。

「細かく指摘しすぎるところを嫌だと思う」という話から「なぜ細かくなるの?」と訊かれ

「漏れがあると大変なことになるので一つひとつ慎重に確認している。」と語るとその丁寧さを知っているメンバーは頷き「おかげで安心できる」と伝え返していました。

感想

・自分は好きではなかったことを良いと言ってもらえて、悪くないんだと思えた

・考えや感じ方を聞くことで言葉にしないと分からないものだと知った

・対面で話し空気感や表情に意味があると感じた

・日頃話す機会が無いので、普段できない経験をした

④ワークシートに記入

ワークを通して感じたこと、気付いたこと、フィードバックで相手から受け取った言葉などをシートへ記します。

記入しながら新たに気づくこともありどんどん書き出している様子でした。

やってみた感想として「言葉にすることで考えを整理することが出来た」自分について他者から聞くことで気づきがあり刺激になった」などが挙げられていました。

【ワークショップでの様子】

日常と大きく違う点は話す人、聴く人の区別が成されていること。

「こんな話をするのは初めてかもしれない」と戸惑いながらもポツリポツリと話し始めると真剣なまなざしで「うん、うん」とうなづきながら聞いてくれるので安心して言葉を続けておられました。初回で「話すことが苦手」と話されていた女性が3回目では「辛いことも今はもう大丈夫なので話せるようになった」と、穏やかで優しい口調で話されたのが印象的でした。

3回のワークを終えての感想を伺ったところ、それぞれの感じたことをたくさん話して下さいました。

【参加者の気づきや感想】

・短い時間の中でしたが日頃見られない顔が見れた

・楽しいと思うことを話すと思わぬ情報を得られた

・自分では思っていなかった一面に気付けた

・いろんな面を知り、自分も似てると共感を得たり、思っていることに気付けた

3回のワークショップ後の共有会

共有会では、事前に記入したワークシートをもとに一人ずつ発表しました。シートには、好き・楽しい・苦にならないと感じる行動、自分が大切にしたいこと、それらが発揮されている仕事の経験、そしてこれから挑戦してみたい仕事やプライベートでの願いを丁寧に書き出しました。

語ることで、自分の価値観や強みが改めて言葉になり、聴いてくれた人のまなざしを通して、さらに深く理解する時間となりました。

そして共に過ごしたメンバーからの心強いメッセージと上司からのあたたかい応援メッセージを受け取りました。

【メンバーからのメッセージ】 

~日々の姿勢や人柄が、信頼と役割の広がりにつながる~

・ 「どんなことにも真摯に取り組む、丁寧に作業している」—信頼される基盤となる。

・ 「相手に思いやりがある、人柄を感じ取れる」—チームの安心感を支える存在。

・ 「用心深くチャレンジしている。細かいところに意識が向いている」—リスク管理と挑戦のバランス。

・ 「いろんな人の意見を聞いてまとめていく。職場の負担を軽減している」—関係性の中で機能する調整力。

【上司からのフィードバック】 

~あらたな一歩を踏み出す、今後の成長と期待~

・ 「強みを発揮している。システム改善に提案してほしい」・・個人の力が組織課題に貢献する期待。

・ 「システム化の選定に参加してもらいたい」・・業務効率化への貢献が期待されている。

・ 「枠にとらわれない発想、ユニークな視点も出して欲しい」・・型にとらわれない創造性が求められている

・ 「人に対して分析、相手のことを理解する力を発揮している」・・組織内の信頼形成や関係性の質向上への貢献を期待

・ 「興味や関心をもってもらうよう行動していることは嬉しい」・・周囲との関係性づくりと場の活性化を期待

あとがき 「悦びを軸に、働くわたしを言葉にする」

スタートからから約2か月が経った3回目のワークを終えた頃、場の空気は確かに変化していました。「話す・伝える」ことへの抵抗が和らぎ、言葉が自然にこぼれ出るようになったのです。

質問の仕方にも変化が見られました。「もっと知りたい」「その人の奥にある思いに触れたい」そんな関係性を深める問いがあちこちで交わされるようになりました。振り返りのシートには過去の経験から紡がれた言葉が並びます。「あの時の気持ちと今の選択が繋がっていたんだ」と気づいたり、「だから私はこの仕事に惹かれるのか」と腑に落ちたり。まるでクイズを解くように自己理解が深まり、他者との違いを受け入れるきっかけにもなっていきました。

そして何より、これまでの気づきがすでに仕事に活かされていることに気づきハッとすることも。

こうして振り返ってみると、語ること・聴くことの積み重ねが、少しずつ場の空気を変えていったのだと感じます。互いの過去や価値観に触れることで、関係性が深まり、仕事の中に「自分らしさ」や「悦び」を見出すきっかけが生まれました。共有会で発表を受けて上司のまなざしも変化していたのではないでしょうか。「こんな一面があったとは」「もっと話してみたい」そんな声がこれからの関わり方や業務の在り方に静かに影響を与えていくことでしょう。

この研修は、単なるスキル習得ではなく、「人と人が響き合う場づくり」の実践でもありました。

今後日々の業務の中で、ふとした瞬間に思い出した言葉や表情が、浮かんでくるかもしれません。

この場に立ち会わせていただき、一緒に言葉を紡ぐ時間は、私たちにとっても尊い時間でした。

語り合い、聴き合う中で、過去の記憶に宿る想いや、誰かのまなざしに映る自分の姿がゆっくりと形づくられていきました。それらが寄り添いながら、「自分が悦ぶ働き方」という軸へと導いていくことでしょう。

これからも、語り合い、聴き合いながら、「自分らしく働くこと」「他者と響き合うこと」の先にある悦びをそっと丁寧に探していけたらと願っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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